【楽曲解説】10_狐-キツネツキ-月

京都は伏見の出身の弘田さんが伏見稲荷が魂の故郷と仰るので、じゃあキツネの曲を入れましょう、と、ただ「キツネ」というキーワードだけを渡して書いてもらった曲です。跳ねるような曲調にトリッキーな部分変拍子、このパートはこんなイメージ、とメモを書き留めながら聴いて、後からそのメモを詞に起こそうと思ったら、起こす必要がないくらい譜割も展開もほとんどぴったり嵌っていました。うーん、おキツネさまの怪。弘田さんのベースと壷井さんのヴァイオリンの掛け合いや、みとせと弘田さんのコーラスなど、生っぽい聴き所も満載。ちなみにタイトル、右から読んでも左から読んでもキツネツキでございます。(みとせ)

幼少の記憶を思い起こしつつ、わずか二時間ほどで出来上がった曲です。子供の頃は毎日のように、稲荷山に登って遊んでいました。稲荷大社の周りは商店が多く普通の町なのですが、表参道の大鳥居をくぐり、本殿のある境内を抜けると、そこは幽玄で幻想的な朱の世界。千本鳥居をくぐり、くねくね道を行くと、三ツ辻、四ツ辻、どんどん人気(ひとけ)の無い山の奥に入って行きます。たまにわら人形などが落ちていて怖い思いもしましたが、山の中腹から京都の町を見下ろす景色は絶景です。むば玉の くらき闇路に 迷ふなり われにかさなむ 三つのともしび、という後醍醐天皇の有名な歌碑などがあります。なんか楽曲解説じゃなくて、観光案内になってしまいましたね。(弘田)